二・二六事件から90年~青年将校遺族らの慰霊法要を訪ねました
二・二六事件をご存じですか。青年将校たちが「国家改造」を訴えて当時の内閣・陸軍首脳らを襲撃し、鎮圧され、全員が銃殺された事件。それから、この2月26日でちょうど90年でしたが、ほぼ忘れられた日に。その当事者たちの遺族は、東京の寺でひっそりと、事件で亡くなった人びとの全殉難者法要を続けています。
私もじつは、事件首謀者の一人となった青森出身の中尉の生涯を掘り起こした『二・二六事件 引き裂かれた刻を越えて 青年将校対馬勝雄と妹たま』(ヘウレーカ)という本を書いた縁で、ご遺族の名代として参会してきました。
NHK前にある事件の慰霊碑(観音像)~彼らが処刑された旧陸軍の刑務所跡~に線香を供えた後、将校ら二十二名を供養し続ける寺に移って、遺族会の人たちと一緒に法要で手を合わせました。
事件は、貧しい農村を救う、それを搾取し国を我が物に財閥、軍閥の支配を打破する~などの目的を掲げた将校らを陸軍が『国賊』として葬り、戦後はファシズムの先兵と学校で教えられ、遺族たちは差別にもさらされながら、わが子、わが兄、弟の真情を胸にしまい込んで生きてきました。
私が出会った波多江たまさんという弘前の女性も、優しく正義感に溢れた兄の真実を訴えたいと自費出版の記録集を家族と編み、27年前、それを目にした私が彼女のお話の聴き取りに通い始めた…というのが本を書いたきっかけ。史料掘り起こしの大変な作業でしたが、このルポルタージュは、震災取材と併せ私の人生の仕事になりました。震災取材と併せ人生の仕事になりました。
事件の見方はさまざまですが、当事者の生涯かけた伝言から生まれたこの本を、90年の節目に手に取ってお読みいただけたら幸いです。


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