ローカルジャーナリズムの若い仲間に出会い、ワクワクと記事を書いた 

 ご覧になりましたか、今月6日と14日にNHKの東北エリアで放送された「東北ソリューション」。3回目を前後半で紹介した番組では、人口減という現実から新たな「にぎわい」を創っている人びとが東北各地から参加して実践を披露し、いわき出身の佐久間亘行さん=テレビプロデューサー=らが議論し提言した。
 仙台放送局であった公開収録に筆者も立ち会い、この番組作りに参加している東北大の1年生たちを取材した。同じく人口減に転じ、人通りが減った商店街に「にぎわい」を取り戻す試みを、各地から集った1年生たちが練るという企画。「バンバルセンダイ」という週末の夜のイベントで実践するまでをライブに取材するが、その前半となる記事が14日、ニュースサイト【TOHOKU360】にアップされた。仙台に新しい「街のにぎわい」生み出そう NHK仙台の番組制作者が東北大1年生と手を組み模索 
 きっかけは筆者より二回り若い、いわき出身の番組制作者との出会い。1月に参加した開沼博さん企画の福島・浜通り取材ツアーで友だちになり、「古里の東北で、NHKでローカルジャーナリズムをやりたい」という彼の思いに大賛同して、その準備段階から取材している。
 同じ被災地になった浜通り出身同士の縁に加え、筆者が米国留学で調査し本を書いた、「すべては地域の市民の声を聴くことから始まる」という『シビック・ジャーナリズム』との出合いと、彼が同様の体験と模索を前任各地でしてきたことが共感に重なった。
 『シビックジャーナリズムの挑戦~コミュニティーとつながる米国の地方紙』(日本評論社)を出したのが2005年。それから20年を重ねるが、地域の難題は年々新たに現れ、伝統の地方報道が体力を弱める中で、地域に根差すローカルジャーナリストこそ求められ、地域ごとに多様なミッションを求められている。
 「日々の『放送』でなく、地域に関わっていけるという価値を見出したかった」、「ふるさとの東北でこそ、『分断』の時代だからこそ、多くの問題・課題を抱えた地域の人たちをつなげる場をつくりたかった」という彼の言葉を、記事の中で紹介した。新たな仲間を得、応援を込めてどんな続報を書けるか、ワクワクしている。(6月15日)