小田和正さん、3年ぶりのライブ!
いやな出来事に頭を横取りされた1週間の後、3年ぶりに仙台にやって来た小田和正さん。変わらぬどころか、輝きが増したようなハイトーンボイスの奔流で身も心も洗われた思いだった。
コロナ禍でのライブの長い空白、74歳の現在。声を聴くまでは心配だった人も多かろうが、2時間半をあの声で歌い続け、会場中を歩き続けて素顔を届けた。奇跡の人に思えた。
ツアーに先立ち6月に出た新アルバムを聴いていた。が、やはり小田さんはライブの人だ。心を優しく癒し、励まし、人をつなぐ歌の数々も、目の前で、〜あの「言葉にできない」の最高音(ハイBフラット)とか〜生身から振り絞られると、初めて聴く曲のように新鮮で力強く艶やかで美しかった。
母校東北大のための校友歌「緑の丘」の一節もピアノで弾き語り、この作曲を依頼した当時の総長里見進さんも同じ会場に来られている、と小田さんが紹介した。仙台はやはり特別な場所なのだ。
「また会いましょう」と最後に語ってくれたので、来年も聴きに来よう。65歳という年に囚われる自分もにわかに小さく思え、もうやめにする。