二・二六事件の拙著『引き裂かれた刻を越えて』刊行の縁で、北一輝の故郷・佐渡を訪ねました

 佐渡を初めて訪ねた。二・二六事件(昭和8年)で処刑された青森の青年将校を掘り起こした拙著『引き裂かれた刻(とき)を越えて 青年将校・対馬勝雄と妹たま』(ヘウレーカ)を世に出して、事件に連座した思想家、北一輝を顕彰する人びとと縁が生まれ、刊行から3年、北の故郷に触れることができた。
 両津市のフェリー乗り場から近い商店街にある、「北一輝の生家」と表示板のある古い建物。往時は地元有数の造り酒屋だったが、北の若きころに商売が傾き、戦後長くかまぼこ店になり、近年老朽化したところを、北を敬愛する企業家の松澤顕治さんが買い取った。地元の有志たちと記念館として活用を話し合っている。松澤さんから訪問を誘っていただいていた。
 今回、松澤さんにはお目に掛かれなかったが、地元の研究者・渡辺和弘さん、佐渡で新しい情報誌「Ikki」発刊を準備する編集者・本間大樹さんに出会った。生家や墓、ゆかりの場所を巡りながら談論風発、北一輝と二・二六事件の時代への旅ができた。松澤さんと佐渡の人びとの活動に東北から関わってゆけたらー。
 ☆『引き裂かれた刻を越えて』(amazonをご参照ください)