尚絅学院大の「森の音楽祭」で、日本語のビートルズを歌う!

里山の「森の音楽祭」で日本語のビートルズを歌う
 名取市の丘陵にある尚絅学院大キャンパスに、自然の緑に包まれた「森のステージ」がある。地元との交流に開放され、2年前から「尚志祭」(大学祭)に合わせて、里山フェスティバル「尚絅の森の音楽祭」が催されている。大学と、ゆりが丘の住民有志の「地域力お宝たんけん」(関田康慶会長)の合同企画だ。初めて、森の音楽祭に参加させてもらった。
 ❝Nonbiriys❞(ノンビリーズ)。「のんびりいこうよ」という意味の名のユニットを結成した。定禅寺ジャズフェスの常連らが集う仙台・稲荷小路のライブバー「音酒(Want you)」で縁のできた、演奏歴豊かなギターの川角充さん、キーボードの国分雅美さんのお二人と、私のボーカルというトリオ。音酒のオーナーでギター名人の上野清仁さんが応援してくださり、店のライブを兼ねてリハを重ねた。
 初ステージで演奏したのが、日本語のビートルズ。私が趣味で作っていた訳詞が十数編になり、その中から選んだ「サムシング」、「ヒア・ゼア・アンド・エブリフェア」、「レット・イット・ビー」、そして「ヘイ・ジュード」。耳になじんだ歌を日本語にしてみると、
 「こんな意味だったのか」という発見や味わいがあり、ビートルズに縁遠かった人にも身近で親密な歌になるのでは―。歌ってみた私がそうだったから。
 出番は、ラス前の7組目。木造りのステージのまわりは、深い里山の木々の葉が黄色く色づき始め、はらはらと舞い落ちてきた。森の音楽祭を楽しみにする地元の住人らが客席を埋め、木漏れ日の中で思い思いに立ち見を楽しむ人たちも。そんな素敵なステージには、ウクレレの弾き語りとアンサンブル、仲間や親子で踊るフラ、ジャズボーカルやギター弾き語りの女性ら、多芸多才な音楽好きが登場。尚絅学院大の民俗舞踊クラブもくもくの太鼓と踊りも会場を沸かせた。
 ノンビリーズのステージは「さまざまな愛の形を探求する」とストーリー立てにし、❝メロメロの愛❞(サムシング)、❝捧げる愛❞(ヒア・ゼア~)、❝導きの愛❞(レット・イット・ビー)、❝寄り添う愛❞(ヘイ・ジュード)から、アンコールで一味変えたビリー・ジョエル「素顔のままで」の❝ありのままの愛❞で締めくくった。
 仲間の二人の演奏はさすがの素晴らしさで、後押ししてくれた上野さんはサポート役で見守ってくれた。ヘイ・ジュードの後半のコーラスでは客席の人たちと声を合わせ、森の音楽祭を盛り上げることができた。地域の人たちと楽しみの場をつくり、歌でつながれたことが直に感じられた、新しい音楽体験になった。
(冒頭の写真3枚は、ギタリストとして出演された東義也さんよりいただきました)