ローカルジャーナリズムの担い手たちの取材を終え、本の刊行を待つ

SNS時代のローカルメディアをめぐる共著本の誘いをいただき、そのうち一つの章を引き受け、6月から始まる取材、執筆、送稿を8月31日で終えた。久々の大仕事だった。
 章の仮題は「帰郷者たちが創るローカルジャーナリズム」。主役は元地方紙記者たちだ。それぞれの理由と生き方から、それぞれの地元に還り、それぞれの新しい活動を始め、新聞退潮と情報過疎が地方に広がる中で、多様なローカルジャーナリズムの形を拓いている。
 限られた時間ながら、そんな仲間たちを訪ね、インタビューし、ルポ取材し、座談してもらい、筆者自身の歩みも振り返らせてもらった。
 島根で「みんなでつくる中国山地」の百年運動に取り組む森田さん、田中さん、高知で「NEWS KOCHI」を立ち上げた依光さん、「東北炉端談義」というグループを共にする青森の櫛引さん、函館の中川さん、いま沖縄の宮沢さん…新聞以外にも、佐渡で郷土文化誌を出した元雑誌編集者の本間さん、東北の課題に取り組むNHK仙台の阿部さん、そして【TOHOKU360】の安藤さん。ローカルジャーナリズムとは、それぞれの地方、地域の現実に新たな息吹の発信とつながりの場を創る運動であり、それは日々多様な形を生んでいる。 そう確かめられた。
 戦友のような世代の人たちが取材の中心になったが、ローカルジャーナリズムに関心ある方に、当事者たちの生の声を伝えたい。刊行予定のお知らせはまた。(写真は、筆者が初めて「ふるさと」や「同胞」に目覚めた14年前の郷里の風景)
 まだまだ暑いが、さあ9月。後期の授業準備にかかろう。