長崎の爆心地で出会った「悲しみの聖母」

 今年は長崎も訪ねた。3月の九州旅行の折、平和公園から少し離れた爆心地に立つ母子の像。「レクイエム・プロジェクト」(各地の被爆地、戦災地、被災地を歌で伝え、つなぐ運動)主宰の作曲家、上田益さんの『スターバト・マーテル』(悲しみの聖母)を、私も仙台合唱団に加わり歌っている(来年5月に震災15年の演奏会)。亡き我が子を抱き爆心に立つこの像のお顔、姿に触れ、「悲しみの聖母」と出会った思いで胸を熱くし、練習の度に思い出す。
 広島とともに被爆後80年の長崎からは先日、あの『クスノキ』の歌を、平和記念式典での地元小学生たちの合唱、作者の福山雅治さんと5000人の歌を中継で聴き、どちらにも感動した。たまたまこの先、福山さんのコンサートに行く機会があり、はたして『クスノキ』の大合唱はあるか…。