作詩の合唱組曲「また逢える」を、仙台の「グラン」が13日の演奏会で歌います。本番前の練習を訪ねました。
仙台の合唱団「グラン」の演奏会が、今月13日(午後1時開演・当日500円)が電力ホールであります。本番間近の練習にお邪魔しました。
「グラン」は、仙台の「メサイアを歌う会」などで私にも縁の深い、佐賀慶子さんを指揮者に2014年に活動をスタートし、今度が第3回のコンサートになります。
世界の美しい愛唱歌を巡る旅、エバーグリーンな昭和のポップス〈あなたの人生に歌あり〉のステージとともに、組曲「また逢える~いのちの日々かさねて」(4曲)を歌います。
「また逢える」は、東日本大震災で被災し、苦難を負い傷つきながら、希望を求めて生きる人々の声を伝える歌です。筆者が取材で出会った当事者たちの言葉と思いを詩にし、作曲は、神戸をはじめ日本各地の被災地、戦災地発オリジナルのレクイエムを書き続ける上田益(すすむ)さん。
上田さんと各地の詩人、合唱団が「歌による伝承と発信」の活動を編み続ける「レクイエム・プロジェクト」のうち、仙台で2013年に生まれた合唱団が昨年9月に初演しました。その指導者、指揮者の一人でもある佐賀さんが、「グラン」の仲間と共に、新たな思いを込め練習を重ねてきました。
この日の練習会場は、市青年文化センターの交流ホール。団員五十人余りの「グラン」(代表・男澤亨さん)は、佐賀さんの颯爽とした指揮に、若々しく力強い歌声を響かせ、この組曲を初めて聴くような感動をもらいました。 歌の命が受け継がれ、新たに芽吹く瞬間に立ち会ったような…。
「また逢える」の原作になったルポを皆で読み、詩の世界を深く共有して練習を重ねたそうです。一人一人が歌と心から向き合い、音楽を指揮者と一緒につくってゆく、という姿勢が真っすぐに伝わりました。
演奏会では「また逢える」の原作の取材写真パネル展、上田さんと筆者のトークの企画もあるそうです。どうぞ、「グラン」と出会ってください。雑誌「りらく」も取材に来られていました。