「地域報道と医療と社会」~日本医学ジャーナリスト協会西日本支部のシンポジウムに参加しました
『地球規模で考え、足元から行動するグローカルの視点で~地域報道と医療と社会~』というテーマで10月14日、日本医学ジャーナリスト協会・西日本支部(支部長・藤野博史さん)の公開シンポジウム(@福岡)があり、私もパネリストの一人でZoom参加。きょう、録画が同支部HPにアップされました。
コロナなど世界的感染症と社会、医療などを毎年議論してきた西日本支部のシンポ。今回、「ウエル・ビーイング(持続的な幸福感の享受)」、「ワンヘルス(医学、獣医学が一つになった人と動物の健康づくり)」や「プラネタリーヘルス(地球規模から地域、土地の微生物に至る健康な世界をつなぐ医療)」の取り組み、人獣共通感染症を運ぶマダニ禍拡大の現実的脅威を初めて知った。
中でも、~人口最少県・最少町から地球課題の解決をめざす〜と題した、鳥取県江府町でプラネタリーヘルスの地域再生運動に取り組む地域創生医・桐村里紗さんの実践は、刺激的で、地をはうように現実をルポしてきた筆者には、地球環境が一つにつながる生命という新しい視野をもらう学びになった。
「ローカルの取材から話を」と誘いを受けた筆者が伝えたのは、東北の大震災と原発事故から12年を経ても続く、古里喪失と共に心を折られた人々の見えない「傷み」のことだった。筆者の出会った人々の訴え、そして相馬で被災地の人々をケアする精神科医・蟻塚亮二さんの診療現場と浪江町での調査から戦争体験と同様のPTSD多発の現実を紹介させていただいた。
それは阪神大震災後に多発した「孤独死」から未解決のままの問題で、その救済は毎年生ま続ける被災地の支援・復興策に欠けたものであり、地球環境の変容と災害多発の現実が進む中で、あらゆる被災者が「ウエル・ビーイング」を求める権利があるーと最後は訴えた。
世界と環境、人間、医療をつなぐ大きな視点から現実の多様な問題、そして解決策を考えるシンポジウム、ぜひご覧ください。