【CafeVita85】クリスマスに響いた仙台の「メサイア」、工藤欣三郎先生に感謝を込め歌い切る―

Merry Cristmas! クリスマスの音楽といえば、私的には「メサイア」。2002年に米国の留学先の”Duke Chapel Choirで12月に3夜連続で歌ったのをきっかけに、「仙台メサイアを歌う会」の年末恒例のコンサートに機会あれば参加してきた。
昨年は体調不良で聴く側だったが、41回目の今年は、長年タクトを執ってこられた工藤欣三郎先生の〈ラスト・メサイア〉になると聞いて、感謝の気持ちで久しぶりに歌った。今月23日、市青年文化センターでの本番では約90人が合唱し、会場は多くの聴衆で埋まった。
メサイアは、遠くで眺めれば美しいが、登れば難行苦行の山脈行に似ている。今年は抜粋版だったが、合唱だけで通常20曲ほどを歌い切る体力も要る。何よりもヘンデル!ゆえ、天に向かって朗々と響かせる歌にならないと…。
これぞクリスマスの愛に溢れた”For unto us a child is born”, 残酷な詩にしてスリリングな”He trust in God”,壮大無比な”Lift up your heads”…。誰もが知る”Hallelujah”の後にも、,エレガントでビューティフルな”But thanks”があり、そんな峰々と格闘した後の終曲に、エベレストのように巨大、荘厳なフーガの”Amen”がそびえる。長大な登攀の最後のテナーには最高音の〈ラ〉のフォルテが待つ。
そこに至るまで最後の力を使い切ってしまうのだが、オルガニストの渡辺真理さんとのご縁で仙台のソプラノ歌手・早坂知子先生に歌を習うようになり発声も歌い方も変わったか、のどはちっとも疲れず、パーン!とホールの天井まで声をぶつける気分で歌えきれた。力を振りしぼり尽くした身体は倒れそうにへとへと…。
悔いなく歌えて、メサイアの合唱は私も今回がラストでもよいな、と思えた。また歌いたくなったら、新しい気持ちで挑戦すればよいか。クリスマスの夜の雪みたいに、そんな気持ちが降ってきた。