取材あって聴き逃したブラームスの演奏会、大好きな「恋」のコンチェルトはどう響いた?

 福島での取材が重なり、チケットを手にしながら聴き逃したのが15日のブラームスの演奏会。仙台国際音楽コンクールの前回の優勝者が競演し、バイオリンとピアノ(2番)のコンチェルトを披露するという豪華版だったから。名演もあって「緩徐楽章がとても美しかった」と友人から、さもありなんの感想を聞いた。
 作曲家の一番幸福だった時期、アルプスの避暑地で生まれた双子の姉妹のような曲。音楽評論家・吉田秀和の文章に浸った学生時代から飽かずに愛聴してきた、その魅力は何なのだろう。
 甘美さ、陶酔、切なさ、やるせなさ、孤愁、憧れ、喜び…。それらが入り混じった感情を呼び起こし、胸を揺さぶる二つの曲は、「恋」と同じ生地でできている。そう感じる。それはブラームス自身の(クララ・シューマンへの)?
 だから何十年たとうと、心はそこに呼び戻され、聴くたびに切なく熱く、まるで新しい恋に出逢ったよう。聴いた後、誰かに会いたくなるような曲…。次にライブで聴けるのはいつなのだろう。