郷里の大先輩、洋画家渡辺雄彦さんの92歳の個展に見入る

 郷里の相馬高校の大先輩、画家渡辺雄彦さんの個展の最終日を訪ねた(仙台カメイ美術館)。
 日展の重鎮、渡辺さんはセザンヌを思わせる構成の静物画を画き続けてこられた。会場で引き寄せられたのは、古里の相馬野馬追いの動的な連作だ。騎馬武者が駆ける草原の緑、総大将の母袋の鮮やかな赤。
 コロナ禍の時期に画いたという野馬追いの連作に続いて展示された新しい静物画は、色も奥行きも一層深く鮮烈に映った。
 齢92を重ねた画家の飽くなき爽快なる挑戦。いま68の自分にこれから何ができるのか…。(7月29日)