1月21日、尚絅学院大で『10年目を迎える3・11〜当事者に「寄り添う」とは何か』と題する講義をしました。

次の世代への震災をどう伝承するか? それは四半世紀を刻んだ神戸だけの課題ではありません。メディアリテラシーの授業を担当する当地の尚絅学院大で、1年生90人に、『10年目を迎える3・11〜当事者に「寄り添う」とは何か』と題する講義をさせてもらいました。
彼らが小学生だった9年前の「あの日」に、東北で何があったのか。「他者」である取材者が、「がれき」という遠景からの集合名詞を超えて、向き合ったものは何だったのか。その時、何ができたのか? できなかったのか? 現場に通い続けて、初めて流れ出す当事者の言葉に、「他者」はどう変わったのか?
建物や街は再建されたが、では傷ついた人の心はどうなのか? 「復興」とはいったい何なのか? 時を超えて初めて知る、「寄り添う」という言葉の意味と、取材者、伝え手であることの終わらぬ役目…。
メディアリテラシーとは教室の知識でなく、自らが主語の「動詞」であることを、伝えていかねばなりません。