仙台の合唱指揮者、工藤欣三郎さんの傘寿コンサートに思う。

 仙台の合唱指揮者、工藤欣三郎さんの傘寿を祝い、ゆかりの7つの合唱団が集った「ファミリーコンサート」(無観客)を21日、日立システムズホールで聴きました。私も縁ある者の一人で、工藤さんが約40年指揮されている年末の「メサイア」(ヘンデル)公演に10回ほど参加し、彼の指導で障がいある若者たちが歌うNPO「ミューズの夢」の教室にもお手伝いで通いました。
 温かくおおらかで、懐深く歌い手たちの心を盛り立てる。そんな工藤さんの音楽愛が人を集わせ、その場の皆が音楽愛を分かち合い一つの歌に持ち寄り、聴取をも包み込む。そんな演奏会を重ねてこられました。コロナのため2年も定演を開けなかった、「コールユーベル」などが合同で催したこの日のコーラスの数々は、和やかな、ふくよかな、幸福感ある響きで、無観客がもったいないほど。
 ユーベルやメサイアを歌う会とともに、「レクイエム・プロジェクトin仙台」の合唱がありました。神戸、広島、長崎など震災、戦災があった街の人々のため、慰めと希望のレクイエムを書き続ける作曲家、上田益さんが主宰するコンサートで、仙台の有志合唱団を毎年指揮するのが工藤さん。
 大震災10年の今年9月11日に多賀城で初演された「また逢える いのちの日々かさねて」に私も作詩で関わり、上田さんと出会いの縁結びも工藤さんでした。人の縁というのは、時を経てまた縁を重ね、人生に新しい模様を織ってゆくようで、この日集った方々の思いでもあろう、と感じました。
 工藤さん指揮の次の演奏会は来月10日の「メサイア」、日立システムズホールで18時開演。