新著『東日本大震災 遺族の終わらぬ旅』(荒蝦夷)を上梓しました。わが子を亡くした親たちの声、お聴きください。

 『東日本大震災 遺族たちの終わらぬ旅 亡き子よ 悲傷もまた愛』。震災から11年を迎えるこのたび、私が震災取材から書いて8冊目となるこの本を、「荒蝦夷」(仙台)より刊行しました。
 震災からどれほど時を経ようと、終わらぬ旅があります。わが子を亡くした親たちと被災地で出会いを重ね、聴かせてもらった人知れぬ胸の思いを、もうルポではなく「伝え手」として綴った本です。
 「また逢える。精いっぱいお前の命を生きた先で、あの子は待っている」。絶望の底で聴いたこのひと言から、「また逢える」日まで生きる旅を始めた母親がいます。「私の悲しみも、あの子との愛だから」と。11年前に聴いた話が私の心に染み、それから長い時間をかけて一冊の本になりました。
 二・二六事件の本を出した昨年秋、私事ながら病気が分かり、新潮社「フォーサイト」に断続的に書いていた連載『魂となり逢える日まで』をまとめ、その声を伝えなければ、との思いに駆られました。ぜひ、手に取っていただけたら。(宮城では主な書店で発売、1980円)。
 解説の筆をNHK『被災地からの声』の津田喜章さんが執ってくださり、表紙の美しいコスモスは、田村孝行さん、弘美さん夫妻が育てられた風景です。l