原発の「処理水放出」問題の取材を続けた夏、濱田武士さんとの議論、再び
わが郷里の浜はいまだ原発事故のくびきから解き放たれず…。8月を憂鬱にしたのは暑さだけでなく、河北新報も連日1面トップで伝えた「処理水放出」問題。
6,7,8月と「TOHOKU360」に相馬と石巻・牡鹿半島から浜の人々の声を伝えたが、事態が進むごとに国の姿勢にこそもの申すべきことあり―と、問題の根から振り返り拙稿をまとめ、締切より1日遅れで昨日、某メディア編集部へ。
そこで意見を伺いたかったのが北海学園大教授(水産政策論)の濱田武士さん。『魚と日本人』などの著書でなじみの方も多かろう。震災3年後に水産政策審議会(水産庁)で知り合い、共に被災地の浜の現状から復興支援を議論させてもらった。当時は東京海洋大におられ、よく月島から相生橋を渡って研究室を訪ねた。
電話でコメントを求めるつもりが、うんうん、やっぱり、そうだよね、問題はあの時…と話が弾み、1時間余りの議論に。何年か越しでも遠くにいても、声を聴けばすぐ互いにアップデートした現場の話で議論がつながり、発見をもらえる。そんな知己をもてた幸運を思った。(写真は、思い出した水政審の視察の瀬戸内海)