「レクイエム・プロジェクト」に東北の被災地をめぐる作詞を依頼されました。
「レクイエム・プロジェクト」をご存知でしょうか。阪神淡路大震災の後、作曲家の上田益(すすむ)さんが追悼と希望のレクイエムを編んで2008年に上演したのが始まりで、以来、被災者も合唱団員となって歌う演奏会を、神戸や東日本大震災後の仙台、岩手県久慈、被爆地の広島や長崎、東京などで毎年続けています。
仙台で7回目の演奏会が25日にあり、上田さんのレクイエムや合唱曲を、市民や全国各地から集う仲間がオーケストラやソリストと歌い上げました。日本人の書いたこれほど美しい現代のレクイエムがあるのを知りませんでした。
東日本大震災から10年を刻む2021年のプロジェクトに、東北の人の詞による新しい合唱組曲を作りたい、と上田さんは考えていたそうです。その作詞が、私に依頼されました。
7月にお話があった時、「私は詩人ではなく取材者ですが、それでいいのですか」と半信半疑で尋ねますと、「たくさんの当事者の声を聴いてきた人から、想いを伝えてもらえたら」との答えでした。覚悟を決め、私が考えるのでなく、8年の日々に出会った東北の被災地の人たちの言葉をよみがえらせようと思っています。
写真は演奏会後の交流会で、一番右から仙台の団員の佐賀慶子さん、仙台の実行委員長で指揮者の工藤欣三郎さん、そして上田さん。