コロナ禍に屈せぬ名取市閖上の語り部の震災10年を、TOHOKU360に書かせてもらいました

 私が住む名取市の被災地が、閖上(ゆりあげ)。歴史ある浜の町です。10年前の津波で約750人の命と、往時の暮らしは失われました。いま復興の途上にあります。
 ご縁ができたのが、亡くなった閖上中学校の生徒の一人の母親、丹野祐子さん。風景も世の流れも人の心も変わる中で「息子の生きた証を残したい」と遺族たちと慰霊碑を建立し、「語り部」の新しい人生を歩んでいます。
 活動の場の伝承施設「閖上の記憶」には大勢の小中学生が訪れてきましたが、コロナ禍で昨年来、修学旅行の中止が相次ぎ、震災10年の今も伝承活動は足踏み。でも丹野さんは前を向きます。
 「いまの子どもたちに震災は遠くなったけれど、ここは津波の怖さを教えるのでなく、命の大切さを伝える場所」と、いじめ自死も増える小中学生たちに、亡き息子さんの命のバトンを渡そうと待っています。