「二・二六事件 引き裂かれた刻を超えて」の書評が大晦日の東奥日報に乗りました!

 拙著『二・二六事件 引き裂かれた刻を越えて 青年将校・対馬勝雄と妹たま』(ヘウレーカ刊)の評文が、きょう大晦日の東奥日報に載る。本書の主人公で事件の語り部、波多江たまさん(一昨年104歳で他界)の弘前在住の娘さんが送ってくださった。筆者の高森ましらさんは彼女の俳句の師匠。いろんな縁がつながっている。そして、忘れない人々がいる。想う人がいる限り、相手も生き続ける。
 たまさんの死まで20年のお付き合いを通して、その生涯を何度も何度も、映画のように思い浮かべ、寄り添ってきた津軽出身の青年将校も、彼が殉じた東北救済の一念から解き放たれて、今ごろは最愛の妹との再会に安らいでいることだろう。亡き兄の真実を伝えようと天命を果たした女性に、少しでもお手伝いできたこともまた自分の役目だったのだろう。冬の長い夜、津軽の兄妹の物語をお読みになっていただけたら。